Episode 1

「ティアラ」ーそれは愛しい愛犬の名。


 ティアラという病院名は、私たちが愛してやまない愛犬の名でもあります。

 3歳の時に我が家にやってきたティアラは、はじめは本当に本当に憶病で、家に来てはじめに抱き上げた私にしかなつかず、私が少し動くだけでも、トイレに立つだけでも、いつも不安そうについて歩いていました。

 月日を重ねるごとに、家族に心を開き、時にリラックスした愛くるしい仕草を見せてくれたり、感情豊かに全身で表現するようになった我が子に、種を超えて心を通わせる人間と動物との絆の尊さを痛感したものです。

 このかけがえのない小さな家族を迎えてからの日々は本当に幸福で、家の中がパッと明るくなりました。

 それと同時に、心配事も増えたものです。それは、言葉をしゃべることができないわが子の「健康のこと」。

 元気がなければ「どこか痛いところはないかな?」と全身を触ってみたり、体を掻くしぐさをすればそれとなく皮膚の状態をチェックしたり。
 だって、この子の健康を守ってあげられるのは、飼い主である私たちしかいないから…。
 でも、こんなふうに思っていらっしゃる飼い主さん、きっと沢山いるんじゃないかな。
 それなら、そんな飼い主さんをサポートできる病院を作ろう。


 私たちが動物の医療に携わる原点には「かけがえのない家族の健康と幸せを心から願う思い」があります。 


 病院名に愛犬の名をつけることにより、来院される飼い主さんに自分の気持ちを重ね、そして動物たちと心を通わせ、時に愛犬ティアラの姿を重ね、家族のためにいつでも最良の医療を心がけよう、という固い決意を込めました。




Episode 2

我が家のちいさな王子様・お姫様へ


 いつの間にか、家族のムードメーカーになっている。気付くといつも中心にいる。または寄り添うようにそっと傍にいる・・・。

 時には人間の言葉に一喜一憂し、かと思えばマイペースに自分の世界に浸っていたり。

 毎日、毎日、さまざまな表情を見せてくれる彼ら。そしてそんな姿に気がつけばこちらが一喜一憂していること、ありませんか?
 大袈裟かもしれないけれど、我が家にとってこの子たちはまるで王子様・お姫様のよう。


 そんな大切な王子様とお姫様に、そっと冠をつけてあげるように・・・。


 ちいさな家族を大切に思う気持ちを、ティアラという言葉に込めています。




Episode 3

動物を取り巻く、悲しい現実


 昨今では、「ペットは家族」という考え方が浸透し、彼らの住環境や食生活、そして医療はめまぐるしく発展し、飼い主さんの大きな愛情に守られ、幸せな生活を送っているペットが増えています。
 これは大変喜ばしいことです。

けれどもその一方で、目を逸らしてはいけない、動物を取り巻く過酷な現実もあるということを忘れてはならないと思っています。


現場に立っていると、家族として大切に守られている命がある一方で、現在でも、まだまだ「動物は動物でしかない」という現実が立ちはだかっていることを感じることもあります。


 人類の長い歴史の中で、人間が生み出したコンパニオンアニマル。人間がその幸せを守っていかなければならないのは当然ではないでしょうか。


 地位の象徴でもある「ティアラ」に、社会における、また人間の思想における動物たちの地位の向上への願いを込めて、動物の命に携わるものとして、この課題に向き合っていきたい―。そうした強い思いが込められています。